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小さな家の小さな暮らし|古民家リノベ in 鎌倉
公開日:2024/12/21
所在地: 鎌倉市
規模: 10坪
100段の階段を上った先に、そっと佇む築95年の小さな平屋。振り返ると、キラキラと輝く海が一望できる、まさに最高のロケーションです。約10坪ほどのこの家には、かつて暮らしていたおじいちゃんとおばあちゃんの、小さな家で暮らすための工夫があちらこちらに残されていました。リノベーション前のこの家を訪れ、元の住まい手の暮らしに思いを馳せました。
両側から使える吊り食器棚
家に入るとまず目を引くのは、台所と食事室の間に設置された吊り食器棚。両面にガラスと引き戸がついており、どちら側からでも使える便利なつくりです。一方のガラスには縞模様の入った「モールガラス」が使われており、それを横使いにしているのがとても洒落ています。居間側にこのモールガラスを配置することで、食器が丸見えにならない工夫が施されています。
棚板には上から吊るすためのフックがたくさん付いています。ここにはマグカップやティーカップが吊り下げられていたのでしょうか。その日の気分でお気に入りのティーカップを選び、紅茶を淹れてキラキラ輝く海を眺めながらティータイムを楽しんでいたのかもしれません。そんな優雅でおしゃれなおばあちゃんの姿を想像すると、胸が温かくなります。
「ちりんちりん」と癒される鈴の音
台所の照明の紐には、小さな鈴が2つ取り付けられており、頭をぶつけるたびに「ちりんちりん」と可愛い音が鳴ります。背の低いおばあちゃんだったのでしょうか。
寝台付きの小上がりスペース
いくつかの収納と奥行きを揃えて造られた小上がりの寝台スペース。控えめなサイズ感ですが、寝台の下にも収納スペースがあり、引き出しではなく上下にスイングする扉が使われています。見た目がスッキリし、開閉もしやすく、引き出しよりコストを抑えながらも収納力を確保できています。このアイデア、ぜひ参考にしたいものです。
シンプルな水回りと竹の棚
水回りはとてもシンプルで、お風呂場には風呂桶と蛇口があるだけ。シャワーはありません。L型金物に竹を3本渡し、その上に竹の桶が置かれていました。これは現代でいう突っ張り棚の原型のようなものですね。竹は水回りで使う素材としても適しており、素材選びもばっちりです。また、脱衣後のタオルや衣類を置くためと思われるDIYされた棚もあり、住まい手の丁寧な暮らしぶりがうかがえます。
新たな命を吹き込むリノベーション
そんな愛着を持って暮らされてきたこの家も、役目を終え、いまではだいぶ傷んでしまっています。しかし、新しいオーナーは「この家を住み継ぎたい」という思いでリノベーションすることを選択されました。この小さな家に再び命を吹き込む、そんなプロジェクトがこれから始まります。
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