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リノベーション団地

団地リノベの指南書!

公開日:2026/03/06
今回は、団地のリノベーション工事の設計をご依頼いただいた事例を、何回かに分けてご紹介していきたいと思います。
なお、内容としては団地特有の話もありますが、一般的なマンションリノベーションにも共通するポイントが多く含まれています。
まず最初にしたいのは、「その団地特有の条件をよく知ること」です。

リノベーションでは、「どの壁が撤去できるのか」「どこまで間取り変更が可能なのか」といった点が、とても重要になります。団地やマンションでは、建物の構造だけでなく、管理組合ごとのルールによって工事の内容が制限されることもあります。

例えばよくあるのが、床の遮音性能に関する規定です。階下への音の影響を防ぐため、フローリング材に一定の遮音性能(L値など)を求められるケースが多くあります。そのため、希望する床材が使えないことや、施工方法を工夫する必要が出てくることもあります。

また、もうひとつの注意点として、設計から工事開始までに時間がかかることがあります。マンションの場合、工事前に管理組合への申請や承認が必要になることも多く、戸建てに比べて準備期間が長くなる傾向があります。
そして次のポイントは、「元の状態をよく知ること」の大切さです。


少し細かい話になりますが、既存の建物の精度も、リノベーションでは意外と重要なポイントです。

団地の建物は、「壁式RC造(鉄筋コンクリート造)」と呼ばれる構造でつくられていることが多く、構造としてはとてもシンプルで丈夫です。そのため築年数が古くても、建物自体に大きな問題があるケースはそれほど多くありません。

ただし、施工された当時の技術や制度の違いもあり、よく見ると壁や床がわずかに傾いていることがあります。この「わずかな傾き」が、実はリノベーションでは少し厄介です。例えば、新しく間仕切り壁をつくって扉を取り付けようとしたときに、既存の壁がほんの少し斜めになっているだけで、建具がきれいに納まらないことがあります。そのため、現場では細かな調整や大工さんの工夫が必要になる場面も少なくありません。

さらに、リノベーションでは解体して初めて分かることも少なくありません。図面上では問題なく見えていた部分でも、実際に解体してみると、配管の位置や下地の状態によって、できること・できないことが変わる場合もあります。

団地のリノベーションは、こうした既存の建物の状態と向き合いながら、空間を再編集していく作業とも言えます。
次回は、実際にこの団地でどのようなリノベーションを計画していったのか、お施主さんがこだわった「設計のポイント」についてご紹介したいと思います。


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