開口部の多いオフィススペースには自然光がたっぷりと差し込む。窓に向いたカウンターはフリー席となっており、利用者は空いている好きな席に座って仕事をすることができる。床はモルタル、天井は元のままを生かして塗装で仕上げた。モノトーンのクールな空間でありながら、カウンターやロッカーに用いた合板やミーティングスペースの木のテーブル、アクセント的に効いている電球、そして窓の外のグリーンがナチュラルなリラックス感を与えている。

個室タイプの席も用意。鍵のかかるドアでフリー席のスペースとは区切られている。個室ごとに異なるグレイッシュなカラーで塗装されたドアの内側は、デスクと棚、ブラケットライトのみのシンプルな空間。利用者はDIY等で自分好みにカスタマイズしていくことが可能だ。

南に面した最も陽当たりの良い場所にはデッキを設置。屋外のミーティングスペースや息抜きの場所として利用できる。周囲の壁にあった既存のアルミ製の柵は、デッキと同じ木材でカバーし、より心地よい雰囲気にチェンジ。

併設しているレジデンス（賃貸住居）の一室。直線的なフォルムのステンレスのキッチン、白い壁というシンプルな印象の中で床とクローゼットの木部が引き立つ、ナチュラルで無駄のない空間に仕上げた。

元々は赤みの強いタイルが貼られた外観だったものをモルタルで覆い、シックなカラーで塗装。オーナーからは当初、ビルの老朽化のため建て替えを相談されていたが、セットバックやコスト面でデメリットが大きかったため、耐震補強を含むリノベーションを施し、オーナーが生まれ育ったこのビルを新しい場として繋いでいくことを提案した。2016年より鎌倉市では「働くまち」のイメージを目指し、鎌倉における新たなビジネススタイルを創出することを目的として、空き家・空き店舗等を活用した創業や市外の企業のサテライトオフィスの設置を促進する事業をサポートしており、当施設およびサテライトワークのプロモーション事業についても、鎌倉市企業活動拠点整備事業の一つとして認定されている。