海を見渡すアジサイの丘の家
所在地: 葉山町堀内
規模: 3LDK
夫婦+子ども1人
竣工年月日:2017年11月
設計期間:3ヶ月
施工期間:3ヶ月
アジサイの咲き乱れるこの丘の頂上付近からこれほど贅沢に葉山の海が見渡せることは、地域の住民だけが知る特別な日常。その価値を実感していたKさんは、この家が骨組みまで解体され補強工事を終えた状態で内覧し、信頼できると判断して購入しました。元は小さな部屋で細かく区切られていた室内をいったん解体することで、床下や屋根裏、壁の内部など、中古住宅購入時にありがちな見えない部分への不安が取り除かれ、新しいライフスタイルの容れ物として自由に発想できる可能性が高まりました。既存の吹き抜けの気持ち良さを最大限に生かすため天井を上げて張り直し、眺めの良い2階は、さまざまな生活シーンを内包する一続きの大空間へとダイナミックに変貌しました。[ 設計デザイン:エンジョイワークス、写真:
東涌写真事務所 ]
玄関を入ってすぐのホールは元々吹き抜けとなっていたが、既存の天井を抜いて天井高を上げ、再び張り直した。最も高い部分では5mを超え、玄関ドアの上に設けたフィックスの窓から自然光がたっぷりと注ぎ、圧倒的な開放感を生んでいる。玄関脇にはシーカヤックなどのアウトドア用品や子どもの外遊びの道具などを収納できる土間を設置。壁はラフな合板のままの仕上げとし、入居後KさんによるDIYで棚が設置された。
2階には、玄関上の吹き抜けと海側に開いた大きな掃き出し窓、デッキに挟まれた抜けの良い空間が広がっている。リビング・ダイニング・キッチンまで一続きにし、構造計算上必要なところは、既存の柱に筋交いを加えるなどして補強している。露出させた古い梁や柱の味わいが空間に優しさを与えつつ、玄関から続く濃いブルーグリーンの壁が知的な雰囲気のアクセントとなっている。
キッチンの壁はブルーグレイのタイルに、濃淡違いのグレイのタイルを効かせた。使う道具の在り処がすぐ分かるオープンなスタイル。作業台の背面には大容量のパントリースペースも設置。新たに奥に設けた窓が山の緑を取り込む。
リビングスペースの吹き抜けに面した部分には、柵に接するように家族みんなで共有できるワークスペースを設置。頭上にはペンダント照明を。
1階のパウダールームはゆったりとした広さを確保。モールテックス仕上げのシンプルな洗面台、鏡の付いた収納棚もホテルのようにシンプルなフォルムにし、細々としたものを見せないことで、広さが強調されている。