RENOVATION

WORKS 13

仲間とゆっくり紡ぐ
リノベーション

LOCATION

鎌倉市極楽寺

FLOOR SPACE

1K

PROFILE

1人

竣工年月

2016年12月

設計期間

1ヶ月

施工期間

5ヶ月

鎌倉の海を高台から50年近く見渡してきた味わいのあるマンションの一室を、Mさんがアイアン作家の橋本大輔氏や友人たちと共にリノベーションしました。「工事は橋本さんの時間のあるときに少しずつでいいですよ」早く完成させることよりも、自分のライフスタイルにしっくり馴染む部屋を、仲間と心通わせながら作っていく過程を楽しみたい。自らスケッチを起こしてオリジナルの造作を打ち合わせしたり、工事の合間に友人たちと壁の塗装を行ったり。このマンション自体が重ねて来た時間に、さらに豊かな時間が加わって、海を望むこの部屋は着心地の良いお気に入りの洋服のようにMさんを包み込む、温かな空間に仕上がりました。[ 設計デザイン:エンジョイワークス・橋本大輔/ヴェルクスタットヴァル、施工:橋本大輔/ヴェルクスタットヴァル、写真:東涌写真事務所 ]

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玄関扉は既存のものを塗装。キッチンとの仕切りは、木枠に6種の模様ガラスを嵌め込んだオリジナルだ。元は造付家具によって仕切られていたため玄関には陽が差さず暗い印象だったが、ガラスにしたことで空間を分けながらも光が部屋全体に回るようになった。右手にあるアイアンの黒い棚は施主自らスケッチを描き起こしてアイアン作家である橋本氏にオーダーした下足入れ。玄関スペースとのバランスにこだわり、片方ずつ両側から収納できるスリムな幅に造作した。

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玄関から続くパーケットの床は、既存のものにサンディングとオイル塗装を施して趣きを生かしている。そこから続くリビング部分は、元は畳の小上がりになっていたが取り払ってフラットにし、足場板を敷き詰めた。施主自身がペンキでこってりと塗装を施し、海辺の部屋らしい雰囲気を出している。リビング・ダイニングスペースの壁に沿ってオリジナル造作した収納棚も施主の希望によるもの。あえて低く作り、ダイニングゾーンではベンチとしてクッションを置いて活用、リビングゾーンではローボードとして活用する。壁や天井は友人たちとのDIYで塗装した。

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キッチンもオリジナルに造作した。レンジフードもアイアンで橋本氏が制作。床はモルタルで仕上げている。全体的にナチュラルで明るい雰囲気を、このキッチン部分のインダストリアルなテイストがピリッと引き締めるバランスとなった。元々想定していたキッチンスペースから現場判断で奥行きを縮めたことで余白が生まれた手前の壁には鏡と棚を付けて、出かける際や帰宅時のポートとなるような場所を作った。

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玄関からの突き当たり、ベッドゾーンの隣には新しく壁を足し大容量の収納を設けた。長尺のアイアンのレールと滑車は迫力があり、女性性と男性性を併せ持つこの部屋の、後者の良いアクセントとなっている。施主手持ちの収納家具から計算して設計したため、扉の向こう側には片付けたい物全てが無駄なくぴったりと収まっている。ベッドのヘッドボードがわりに置いたチェストは、施主自身が持っていたものをDIYでリメイク。光沢が強かった表面をサンディングし、ホワイトオイルを塗装、イタリアで購入した陶器の取っ手を付けて生まれ変わらせた。天井の照明はアンティーク。

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浴室は、置型のバスタブを新設した他は、洗面台・トイレは既存のものを使っている。昔のマンションらしくむき出しになっていた給湯用の配管の一部を銅製に取り替えて引き直し、タオルウォーマーとしてアレンジした。

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