K-room
所在地: 藤沢市鵠沼桜が岡
規模: 21.53㎡
賃貸アパート
竣工年月日:2015年7月
設計期間:---
施工期間:---
湘南を代表する住宅街「鵠沼」。その一画に、数年の間誰も住むことなくそのままになっていた家がありました。庭のある母屋に、一人暮らし用の賃貸ルームが2つ付いた大きな家。最後に住んでいたおばあちゃんから引き継いだお孫さんが、良い形でこの家を活かしたいと、プロジェクトが始まりました。賃貸部分は改修して運用する方針でしたが、ここは激戦区。物件に個性を持たせ「この部屋だから住みたい」と選んで頂けるリノベーションを行い、その施工の様子をリアルタイムで告知しながら、早い段階で入居者募集を開始しました。また、母屋部分は広い庭にウッドデッキが設けられ「ママと子どものためのカフェ」として生まれ変わりました。[ トータルコーディネート:エンジョイワークス、賃貸部分設計デザイン・施工:
WERKSTATT-WAL、母屋部分設計デザイン・施工管理:
和温スタジオ ]
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杉の無垢板の床に、壁は白で塗装。一面だけ明るいグリーンを差し色にしたことで部屋全体の清潔感が引き立つ。窓枠や鴨居はややグレイッシュなモカ色で。押し入れだったスペースには扉を付け、イメージを変えた。
キッチンはステンレスと木でオリジナルに造作。窓からの光とシンプルな構造が、キッチンの空間をすっきりと広く感じさせる。モカ色の塗装にステンレスの質感が映える。
ユニットバスはそのままに、壁の鏡をワイドなものに付け替え、照明はマリンランプを採用。セレクトの少しの違いで、体感する快適性まで大きく変わる。洗濯機置き場にはモカ色の棚を設置した。
ディテールの集合によって全体の印象は左右される。住居としての基本的な機能性に差が無いからこそ、細部のデザインが醸し出すイメージが、理屈ではない所で効いてくる。押し入れの扉の取っ手には、時を経るほどに味わいの増す真鍮のパーツを。キッチンの蛇口も一般的な賃貸物件には無いような個性のあるデザインにした。玄関付近の壁面の一部にはレンガを貼って白く塗装し、スイッチも取り替え、海外の部屋のような雰囲気に仕立てた。
【BEFORE】母屋と賃貸部分がつながって一つの建物になっている。建築当時の赤茶を基調とした外壁の色が古びた感じを強調していた。賃貸ルームの内部は、6畳の和室にキッチンが付いた1Kの間取りだった。