遊び心がつまった五角形の家
所在地: 鎌倉市材木座
規模: 2LDK
夫婦
竣工年月日:2016年2月
設計期間:6ヶ月
施工期間:6ヶ月
サーフボードにスノーボード、スケートボード、家の外にはお気に入りのバイクと車。鎌倉の海に近い場所に建つKご夫妻の家には、アクティブなお二人を物語るお気に入りの遊び道具たちがいっぱいです。鎌倉が大好きなお二人が選んだのは住宅街にあった変わった形の小さめの土地。それを余す所なく生かすため、なんと五角形の3階建ての家を作りました。各階は小部屋で仕切らずに、フロアごとに「食事をする所」「寝る所」「遊ぶ所」などと大胆に役割を分けたことで、開放感のある住まい方が可能に。海からの陽射しと、室内に散りばめられたカラフルなインテリアや小物によって、そこにいるだけでウキウキと楽しくなる空間が出来上がりました。[ 設計デザイン:エンジョイワークス、施工:ワイズホーム、写真:
東涌写真事務所 ]
玄関周りは黄色の郵便受けがポイントとなっている。ライトはマリンランプを用い、アメリカンフェンスの向こうには愛車が。どことなくアメリカンなムードが漂いワクワクするエントランスだ。玄関ドアを開けるとシンプルな構造の階段が吹き抜けのような効果を発揮し、抜け感を感じさせる。
1階フロアの奥から玄関ドアの方を見た所。ゆるく「くの字」になった壁の形に沿うように、土間と、一段高くなったパーケットの床が設けられている。玄関に並んだサーフボードやスケートボード、ヘルメット、そして鏡とフックに掛けられた鍵。身支度を整えて遊びに出かけるKさんたちの姿が浮かぶようだ。このフロアには家具などは置かず、あえてガランとさせている。ドアを開けた時にすっきりさせておきたいのと、ここでボード類の手入れをするためだそうだ。
2階フロアはLDKとして使用。アカシアのフローリングや造作キッチンの木部、現しの天井などのウッディな面と、壁やタイルなどの白い面が調和したナチュラルな内装に、カーテンのオレンジ、ラグの赤などが楽しげな彩りを添えている。実は彩るものを変えれば全くイメージが変わるであろう、ベーシックを抑えたコーディネートにKさんのセンスが伺える。
1階にある五角形のドアはKさんのアイデア。その向こう側に浴室や洗面所、トイレなどの水回りが控えている。キッチンはオリジナルに造作。木の天板や扉に、白いシンクやタイル、レンジフードを組み合わせ、清潔感のある仕上がりに。棚の上にはディスプレイを兼ねてカラフルな食器を飾っている。各フロアをつなぐ階段は1本のささらに踏み板だけ、手すりもアイアンのシンプルな造り。このおかげで1階から3階までが一続きの縦の空間となるため、開放感が引き立つ。
最上階は寝室であり、もう一つのくつろぎのリビング。ベッドは置かずに空間を広々と使っている。日当たりの良い窓際にはワークスペースも設け、なんだか「大人たちの子ども部屋」といった雰囲気。天井から左右対になって吊り下がる14面体のスピーカーはKさんこだわりの品。好きなものだけが詰まった五角形の部屋は見る角度によって全く違う顔を見せ、飽きることがない。