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小屋と吹き抜けのある家

所在地: 葉山町堀内
規模: 2LDK+土間
夫婦+子ども1人
竣工年月日:2016年7月
設計期間:4ヶ月
施工期間:6ヶ月
葉山の海と山のちょうど真ん中辺りに建っていた築年数不詳の大きな古民家。広い敷地の裏側には小屋までありました。シーカヤックやキャンプなどアウトドアレジャーが大好きなTさんは、庭のあるゆったりとした家で「これぞ葉山」という暮らしを満喫したかったとおっしゃいます。母屋は一旦柱と梁だけの状態にまで解体し、丹念に構造補強を施してフルリノベーション。天高5mを超える大胆な吹き抜けと大きな開口部を設けてたっぷりと光を取り込み、2階には山並みを見渡すインナーバルコニーを。小屋は有志ボランティアや近所の人とDIYを交えて再生しました。生まれ変わった家と共に、Tさんご一家のいっそう充実した葉山ライフが始まります。[ 設計デザイン:エンジョイワークス、施工:ダブルボックス、写真:東涌写真事務所*メイキングブログを見る
もとは二間続きの和室だった空間を吹き抜けのある広々としたリビングへと大胆にリノベーション。庭に面した開口部は、腰窓だったものを最大限に大きな掃き出し窓へと変更し、耐力はクロスさせた鉄の棒で補った。庭の植物がまるで一枚の屏風絵のように見え、部屋のアクセントとなっている。その景色を最も良いポジションで鑑賞できる畳の小上がりは、さながら東屋か茶室のようだ。
リビングの真上の2階の床を取り払い、光がふんだんに差し込む吹き抜けとした。最も高いところでは天高5mを超え、もとの柱や梁が組み合わさり、まるで舞台のような大迫力の空間だ。梁があるため、将来的に2階の増床も可能。しかし今は、中空に部屋が浮かんでいるようなユニークな眺めを愉しめる。施主こだわりの薪ストーブ周りは天然石で造作。煙突は長く伸びて2階を貫き、屋根から外界へと通じる。
玄関側からもリビング側からも出入りできるキッチンは、清潔感のあるステンレスで仕上げた。そのシャープな印象と、パーケットのフローリングや丸く開けた出入り口の温かみとの対比が効いて、奥行きのある表情を作り出している。作業台とシンクの前に壁際まですっきりと開けた窓が体感を拡張し、清々しさを感じさせる。
玄関扉は幅広の引き戸を採用、アウトドアのさまざまなギアも容易に運び込める。明り取りの窓と引き戸の立て板の隙間から漏れ来る光が、玄関にいっそうの抜け感を与えている。床は天然の大谷石を敷き詰めた。玄関から土間伝いに続く位置に広々とした収納スペースを確保。多孔ボードで作った壁は、まるでガレージや基地のようにさまざまなツールを掛けて使いこなすのが楽しみになる。
2階の裏庭に面した位置に設けた、半屋外のバルコニー。遠くは葉山の山並みを一望し、眼下には庭と離れの小屋を見ることができる。屋根があることで落ち着きのある東屋のような空間となり、天候によらず外の空気を楽しめるほか、2階にあるランドリーからの家事動線もスムーズだ。
写真協力:写真家 東涌宏和
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