愛用品がなじむ家
所在地: 鎌倉市雪ノ下
規模: 2LDK+納戸
夫婦+子ども1人
竣工年月日:2016年3月
設計期間:2ヶ月
施工期間:4ヶ月
鎌倉駅に出やすい立地で、平屋を探していたNご夫妻。鎌倉の山あいに建つ築70年のこの家を最初に訪れた時、静かで、窓から見える庭や山の緑があまりにもきれいで、いつの間にかすっかり寛いでしまったとおっしゃいます。本の虫である旦那さまの蔵書を納めるスペースを設け、奥さまが愛用している木製の棚を溶け込ませたキッチンには、好きで集めている鎌倉山の作家の器を飾って。外観は鎌倉の緑に映える黒、建具はラワンやガラスを使い、わざと「古くさく」。できたての今はもちろんのこと、例えば数十年経った時に、もっともっと良い感じの家になっているように。愛用の品の数々とともに、日々を慈しみ丁寧に年月を重ねていきたい。そう思わせる仕上がりになりました。[ コーディネート:エンジョイワークス、施工:ワイズホーム、写真:イエフォト ]
キッチンの壁際の真ん中には、奥さまが以前から愛用している木製の棚を配置。その雰囲気を拡張していくようなイメージで木を使ったオリジナルキッチンを造作した。ウッディなテイストを、天板のステンレスや光沢のある白い長方形のタイル、深いブルーの壁の色がモダンに見せている。外の緑を取り込むように開けたピクチャーウィンドウが抜け感を添える。
キッチンから続くリビングの脇には、元の家でも同じ位置にあったサンルームが。庭に面して大きく開けた開口部と、元のままを受け継いだ天窓からの光がふんだんに満ちている。リビングとの境をガラスの建具で仕切ることで特別なニュアンスが生まれるとともに、ランドリーなどもスマートに片付きそうだ。
一段高くなったキッチンからは広大なリビングが見渡せる。南東側がほとんど開口部となっており、天井高も上げたため、実に開放的な空間。無垢材の床の上で何時間でもゆっくりとしていたくなる。
廊下の天井付近には、元の家の床柱を使ったシンボリックな見せ梁を付けた。パウダールームの壁は明るいグリーンで塗装し、差し色とした。
玄関ドアは時を経るごとに味わいの増す木製に。リビングとの境にあるラワン材で作った建具には模様ガラスをはめ込み、リビングの目隠しをしつつ庭からの光を廊下まで取り込む。壁沿いに設置した大容量の棚は、旦那さまの蔵書スペース。