海を望む天空の家
所在地: 葉山町下山口
規模: 1LDK+納戸
夫婦
竣工年月日:2016年--月
設計期間:2ヶ月
施工期間:3ヶ月
葉山でも指折りの美しい海を望む小高い丘の中腹にあった古い平屋。元の主人もそこからの眺めを愛していたのでしょう。海に面して掃き出しの大きな開口が設けられていました。ふと都会の喧騒からエスケープしたくなった時の2つめの家として、この平屋をリノベーションしたTご夫妻。海側の開口をいっそう生かすため、室内は天井を取り払って吹き抜けに。そして屋外には、海に向かって飛び立てるかのような柵のないデッキを。海と一つになる開放感あふれるLDKの奥には対照的に、お籠り感のある箱のような寝室を設けました。世界中のどんなリゾートにも引けを取らない絶景と、清々しい自由の空気。贅沢な楽園が都心から1時間あまりのこの場所で、Tご夫妻を待っていてくれます。[ コーディネート:エンジョイワークス、施工:ワイズホーム、写真:イエフォト ]
高さも幅も最大クラスのサッシを海側の全面に大胆に使用し、絶景と一体になるようなリビングに。室内の床面からそのまま続くような屋外デッキと、吹き抜けが、よりいっそう開放感を強めている。
海を眺めながら料理を楽しめるオープンキッチンは、白とステンレスが開口部からの光を拾い、清潔感と明るさを増す。カウンターの真ん中にある木の柱はもともとの躯体の柱。耐震性を保つため残したこの柱は、そのままカウンター内部を貫いて基礎へとしっかり落ちている。天板のステンレスを精妙に継いで、柱とカウンターの一体感を出したことでユニークなアクセントとなった。
奥には、箱のように囲まれた寝室を設けた。パステルカラーで塗装した壁が、さりげなくLDKとのトーンの違いを表現している。かつて縁側だった窓際にはハンモックをつるしてリラックススペースに。梯子を登れば、小屋裏のスペースへ通じる。そこはゲストルームや収納として活用する予定だ。
寝室には扉を設けず、壁で囲むような形とした。内窓を設けることで、落ち着きを確保しつつも、海とのつながりをもたせている。
モルタル風に仕上がる左官材モールテックスを使った土間の玄関からリビングへは段差なく続く。境を曲線にすることで、窓の外の海まで繋がっていくような、引き込まれるエントランスとなっている。パウダールームは木を用いてナチュラルな雰囲気に造作。1日として同じ日はない海の色ようなモザイクタイルが、ここが海辺の家であることを感じさせてくれる。