スペーシーな家
所在地: 葉山町下山口
規模: 6DK / 30坪
家族構成:夫婦+子ども2人
曲がりくねった細い山道を登った先に開ける、海・江ノ島・富士山を望む土地。そこに見たこともないユニークな家が建ちました。木製のデッキが引き立つ青いガルバリウムの外壁、2階に設けた玄関に続く階段のメタリックな銀色が、この家のコンセプトである「宇宙」を感じさせます。窓から見える絶景を最も楽しめるのは、リビングの真ん中に作った「本小屋」。それをぐるりと囲むようにキッチン、オーディオスペース、家族みんなのワークルーム、そして写真家である奥さまの暗室が配置され、階下には巣穴のように繋がった家族みんなの寝室が。仲間とDIYした多色使いの壁や、選んだパーツの一つひとつからも伝わってきます。「家づくりはこんなにも自由で楽しい」と。[ 2016年6月竣工、 塗装指導:
COAT KAMAKURA、写真:
東涌写真事務所 ]
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2階の玄関ドアを開けると、格子の内窓が出迎える。正面の窓からは海へと続く緑の絶景、右の窓の向こうはオーディオスペースとなっており、お気に入りのレコードジャケットをディスプレイしている。内窓があることで、逆に空間に奥行きが生まれ、不思議に中へと誘われる。
本好きの一家は、リビングの真ん中に「本小屋」を設けた。小屋内部にはぎっしりと家族の蔵書が納まる予定。一段高くなった小屋の床の上にはマットレスをセットし、寝転がりながら読書ができるようにしたいという思惑だ。その位置から、海・江ノ島・富士山、そして緑の絶景が見渡せる。本小屋を中心に、向かって左から右奥へと渦を巻くように、キッチン、家族のワークルーム、トイレ、暗室などが配置されている。キッチンはオリジナルに造作し、外の緑を拾ったような深いグリーンを基調に、天板の水色や壁のスカーレットをアクセントで効かせた。スカーレットの壁はプロの指導のもと、奥さまがDIY塗装。アイボリー色のタイルの目地を茶色にすることで、全体がまとまっている。(調色、塗装指導:
COAT KAMAKURA )
「本小屋」の裏手にある家族のワークルーム。廊下から続く多色使いの壁は、友人達と共にDIYで塗装した。細かい砂のような粒子が入った塗り痕の質感が出るグレイッシュな濃いグリーン、光が当たると銀色に輝くパール入りの淡いグリーン、フランスのタバコ「ゴロワーズ」のパッケージから取ったブルーの濃淡に、要所でゴールドのアクセントを入れている。刷毛を多方向に動かしながら塗る独特の塗装によって、まるで絵画の背景のような、ニュアンスのある壁に仕上がった。(調色、塗装指導:
COAT KAMAKURA )
ワークルームから続く2階のトイレには、異国情緒あふれる壁紙と照明を。渦巻きの突き当たりには写真家の奥さまのための暗室を設置。マットな黒の壁紙で仕上げたこの部屋は、窓のシャッターを下ろすと、漆黒の闇となる。
1階には浴室などの水回りの他、家族4人の寝室がある。ここは夫婦と下の子どもための寝室。扉のないウォークインクローゼットを挟んでゆるやかにスペースを分けている。