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ニュートラルな家

所在地: 葉山町下山口
規模: 2LDK / 24坪
家族構成:夫婦
我々がKさんと出会ったのは、まだ「スケルトンハウス」や「ヴィレッジ」が概念だけの存在だった頃です。当時から自然豊かな葉山に別荘を借りていたKさんは、シンプルな木の箱の中に可変性のある内装を施せる「スケルトンハウス」の考え方と、敷地内の植栽や統一性のある建物からなる心地よい住環境を住人たちが共有しながら暮らすという「ヴィレッジ」の計画に、すぐに理解を示してくれました。一色の海にも出やすく山の眺望にも恵まれた「茅木山ヴィレッジ」の1棟目は、そんなKさんとの出会いによって実現することになったのです。モノトーンでまとめられた室内はニュートラルな印象で、日常からの逸脱を図る別荘として、静謐な空気感が漂う仕上がりとなりました。[ 2014年11月竣工 ] *メイキングブログを見る
西向きのバルコニーからは青い海と江ノ島、富士山も一望できる。この「茅木山ヴィレッジ」では、もともとの自然の山斜面を生かして2棟のスケルトンハウスを配置し、K邸からは海まで一直線に抜ける眺望を確保した。
玄関を入ると、踏み板だけの回り階段。壁面に設けた上下に長い窓から光が差し込み、壁の白がいっそう明るさを増幅する。土間部分のマットな黒の大判タイルや、ブラックオイルステインで仕上げた階段とのコントラストが冴える。
1階のフローリングは清潔感のあるパイン。各部屋の建具には2.4mの天井までのフルハイトドアを選び、無駄のないスッキリとした空間を作った。黒いサッシが全体を引き締めている。
2階のリビングの床にはオークの無垢材を。壁いっぱいの大きな開口部からは、海や山を見渡せると共に、日差しが降り注ぐ。別荘を訪れた際に、眺望や光を損なわずに冷暖房が早く効くようにと、階段上の仕切りは特注の大きなフィックスガラスを使用した。
キッチンは限りなく黒に近いチャコールグレーを選択。洗面所や浴室はシャープなフォルムの白を。床は玄関と同じ大判の黒のタイルを用いたことで、シンプルでニュートラルな中にもクラス感のある仕上がりとなった。
写真協力:写真家 東涌宏和
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