ENJOYWORKS DESIGN
インタビュー

葉山に住んで、いちばん変わったこと

公開日:2016/12/15
所在地: 葉山町下山口
規模: 4FLDK / 89.44㎡
家族構成:夫婦

なぜ「下山口」を選んだか

約1年前に都内から葉山町下山口に移り住んで来たKBご夫妻。2016年7月には新居のスケルトンハウスが完成し、引越しを経て少し落ち着いた晩秋に、土地をご紹介した弊社不動産営業と、家の設計を担当した弊社設計士が、ご自宅へインタビューに伺いました。
KBご夫妻は、旦那さま(以下Nさん)が広告関連のクリエイティブ・ディレクター、奥さま(以下Mさん)がグラフィックデザイナー兼造形作家という、2人揃ってのクリエイターです。とくにNさんのオフィスは都内にあり、お仕事柄夜遅くなることもよくあるそうですが、なぜまた葉山を、そしてその中でも逗子駅からは遠い所にある下山口を選んだのでしょうか?
Nさん:「以前から海の近くに住みたいと思って、湘南エリアで家を探していたんです。当初は辻堂や藤沢辺りも見ていて、エンジョイワークスさんにお願いするようになってから葉山によく来るようになりました。でも葉山の印象は最初からなんか良かったんですよね。確かに便利か不便かと言われたら、駅徒歩何分みたいな感覚ではとても便利とは言えないんでしょうが、とにかく自然が豊富だったのと、自分たちが好きだと思えるお店もいろいろありましたし、担当してくれた営業の原さんが『葉山は時間がゆっくり流れる町なんです』っておっしゃっていたのが印象に残っていて」

葉山の中でもさまざまなエリアを見た上で、海にも山にも近くひときわのんびりした下山口を選んだんですね。

Nさん:「葉山の中でも賑やかなエリアもありますが、いずれまたもっと自然に近い所に行きたくなってしまうだろうなぁと」
スケルトンハウスで家を建てたKBご夫妻は、弊社が設計士とのコミュニケーションツールとしてご提案している「家づくりノート」をフルに使って、間取りや内装はもちろんのこと窓の位置、電気の配線図まで、ほとんど自分たちで考えました。

Nさん:「やりたかったことはほぼ実現できました。自分たちのこうしたい!というイメージを最大限にお伝えしましたが、やはり僕たちだけでは限界もあって。そこへ設計の門田さんが吹き抜けや階段の位置などさらにアイデアを加えてくれて、結果、予想していた以上の家ができたと思います。とくに窓を決めるのは難しかったですね。図面を描くのは平面、出来上がるのは立体でしょう。そこを頭の中でイメージするのがすごく大変で、もうフーフー言ってました(笑)」

設計士 門田(以下 門田):「そこまで悩まれていたとは、すいません(笑)」

Nさん:「結局、最後は外観から見た窓の位置の希望を伝えて、あとは門田さんにお願い!って。加えてもらった2階の廊下の窓はとても効いてますね、風通しが本当に良いです」
そんなKB邸は、1階のLDKの床全面とキッチンカウンターにもモールテックス(わずか3mm程度の塗膜でモルタル風に仕上がる特殊な左官材)を用い、リビングスペースの片隅には収納を兼ねた可動式の小上がりを設けました。その様子はまるでリゾートホテルの一室のように非日常的な雰囲気があります。

Nさん:「家を建てることになった時、1階はパブリックなスペースにして、プライベートは2階に、と考えたんです。最初に思いついたこのテーマに設計の門田さんには終始付き合ってもらえました。」

門田:「実際に小上がりはどんなふうに使っているんですか?」

Nさん:「マットの下の部分には、予定通り普段あまり使わないものを収納しています。友人たちが遊びに来たときには、この小上がりをベッド替わりに寝てもらっているんですが、カーテンを閉めるとすごく落ち着くスペースになるし、寝心地も良いと好評で。僕たちも夏場は1階の方が涼しいので、ここで寝ていたぐらいです(笑)今日みたいに1つだけマットを外せばローテーブルにもなるし、パブリックスペースという考え方に合っていていろいろ使えますよね」

シンプルかつシャープな印象にこだわったキッチンには、Nさん自身が探して取り寄せた3つの銅製の照明が吊り下げられています。

Nさん:「この照明に行き着くまでに、インターネットで1000ページぐらい探しました(笑)銅の輝きが良いなと思っていて、このシンプルな形がなかなかなかったんです。ようやくこれを見つけて喜んだのも束の間、これはもうデッドストックでそのショップに在庫が1個しかなかったんですよね。で、そこからあと2個を探すのに必死でもう1000ページぐらい見ましたよ(笑)結局3個とも別々のお店から取り寄せました。でもね、自分の家をつくるわけですから、そんな経験も僕にとっては楽しいんです」

2階のMさんの仕事部屋には、家づくりの打ち合わせを進める中で、お2人で作ったこの家の模型が飾られていました。
こんな家にしたい!というイメージから始まり、それが現実の建物になるそのプロセスすべてを「自分たちの家づくり」として味わい楽しむ。それは時には大変なこともあるけれど、だからこそ代え難い思い出になり、家への愛情もいっそう湧いてくるのかもしれません。
都内から葉山町下山口に移り住んだお2人に、変化したことを尋ねてみると、口を揃えて

Nさん・Mさん「ライフスタイルが全く変わりました!とくに“人”」

人、と言いますと?

Nさん:「今まで住んでいた都心では横のつながりってほとんどなかったんですけど、葉山に住んだら周りは知っている人ばかりになりました。知らない人でも『こんにちは』って笑顔でふつうに言う文化でしょ。昔から葉山に住んでいる人は、僕らみたいな移住してくる人に対してどうなのかな?って思っていましたが、そんな隔たりは全然なかった」

営業 原(葉山在住):「サラッとしていますよね。ご近所づきあいはあるわりに、熱すぎないのが葉山の良い所なんです」

葉山は明治の時代から、土着の人々と別荘で過ごす人々がお互いに持ちつ持たれつ仲良くやってきた土地柄。オープンで温かなコミュニティでありながらも、適度な配慮のある人間関係は、都心から移り住む人にとっても心地良くなじめそうです。

ご自宅でお仕事をすることが多く、ほぼ1日中葉山で過ごしているMさんは

Mさん:「やっぱり自然が多いのが良いです。今まではR246の車の音を1日中聞きながら仕事して、買い物で気晴らしして…って感じだったんですが、今は仕事部屋の窓からも山が見えるし、夕方になると散歩に出て海に夕陽が沈むのを見て帰ってくると、すごくリフレッシュできる。この辺には電車もないしコンビニも大型の商業施設もない。でもそこが良い。今までどんな町に住んでも同じような生活導線をつくられてしまう感じが好きじゃなかったんですね」

一方、都内に通勤しているNさんは、

Nさん:「通勤は遠いけど、もう慣れました(笑)逗子駅は始発だから座って行けるし。それよりも、以前より『家に帰りたい』と思えるようになりました。葉山やこの家が好きだからだと思います。よく眠れるようにもなりました。仕事上、海外とのやり取りもあって寝る時間も遅いので、前は休日に陽が高くなるまで寝ていたりしましたが、今は休日の方が早起き(笑)近所にある神明社という神社の朝市に行ったり、友達とSUPしたり、やりたいことが朝早くのことだから」

今年の夏は下山口の地元のお祭りにも参加し、初めてお神輿を担いだというNさん。葉山に住む弊社のスタッフも毎年参加している行事です。

Nさん:「今までの自分にはありえない行動なので前日の夜まで悩んだけれど、当日は葉山の新しい友人たちとのお神輿が本当に楽しかったんです」

のんびりした葉山に来て、オフの日がかえってアクティブになったようですね。

葉山にある何かが「生命力」のようなものを呼び覚ましてくれるのでしょうか。
植物が好きなKBご夫妻が都内に住んでいたときから育てていたゴクラクチョウカが、葉山に引っ越した今年、10年ぶりに花を咲かせたそうです。

Mさん:「都心から葉山っていうシフトが、年齢的にも心地良いのかもしれませんね」

新しいスケルトンハウスで積み重ねて行く、お2人のこれからの葉山ライフは、時を経るごとに充実したものになっていきそうです。
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