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地域の風土が形作る蔵の多様性:全国の「蔵」リノベーションプロジェクト紹介
公開日:2025/02/08
蔵をリノベーションして宿泊施設を作るプロジェクト、The Bath &Bed。
葉山、長野、富山、栃木、愛媛・・・と様々な地域で蔵のリノベーションを進めてきました。
Bath & Bedがある場所は、その地域全体でたくさん蔵が残っています。
いくつもの蔵を見てきて感じたのは、その地域ごとに蔵の顔がそれぞれ違う、という事。
今日は蔵の外観に注目して、バリエーション豊かな蔵をご紹介したいと思います。
葉山は商家が多い
葉山や鎌倉などは、蔵が残る地域は商家としての蔵が多いです。
米蔵・味噌蔵など、商業で使われた土蔵が多く見られます。
外装は土蔵造りで、漆喰で仕上げられているものが多いですね。
サイズは大きすぎず、小さすぎず、どちらかと言えばコンパクトなものが多い印象です。
屋根勾配がきつい長野の蔵
長野は寒冷な気候と豊かな自然環境を活かした農業や醸造が盛んな地域であり、
その土地の暮らしに根ざした蔵が多く見られます。
歴史的にも街道沿いの宿場町や城下町が発展し、各地に特徴的な蔵が残っています。
Bath&Bedになっている小布施の蔵は、母屋と別棟に独立した土蔵で、倉庫や貯蔵庫として機能していました。
屋根の角度がきつめ、入口に庇がついているのが特徴です。
雪が降ったときを考慮して作られているのかな、と思います。
土色の美しい蔵
富山は、立山山系や黒部峡谷などの自然環境にも恵まれ、農業が盛んです。
そのため、農業や発酵食品、保存食品を保存するための蔵が多いそう。
土壁の蔵は保存庫として使われており、冷気を自然に取り入れているものもあります。
冷涼な気候を活かしたて食品保存用に適した環境が作れていたようです。
立山のBath&Bedはきれいな土色をした土蔵になっています。
装飾も土を塗り重ねて表現されていて、エキゾチックで素敵なんです!
温泉地ならではの「風情を大切にした蔵」
これは愛媛県、道後温泉の蔵です。
道後は古くからの温泉街として知られており、温泉文化が蔵の使われ方にも影響を与えています。
道後温泉周辺では、古い温泉宿や商家の蔵が見られ、これらは湯治客や温泉に関連する商品の保管に使われていました。
特に木造の蔵が多く、温泉地特有の温暖で湿気の多い環境に適応した建材が使われています!
街中に溶け込む作りですね。
美しい石づくりの蔵
最後は栃木県です。
Bath&Bedの予定地である鹿沼市は石造りの蔵が町中にたくさん残っています。
大谷石、深岩石、芦野など・・・栃木は石の産地でも知られています。
鹿沼も、深岩石の産地として有名であり、特に鹿沼で取れた深岩石は「鹿沼石」と呼ばれるほど。
それもあってか、石づくりの蔵が非常に多いんです。
石蔵は堅牢で耐久性が高いのが特徴です。
特に、栃木県は寒冷地であるため、冬の厳しい気候や湿気に強い素材として石が重宝されていたようです。
このように、各地域で見ていくと、それぞれ特徴があって面白いですね!
蔵プロジェクトは全国で100棟!を目指していますので、まだまだ発見がありそうです・・・。
では、このへんで。
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