BLOGリノベーション
とあるリノベの物語 ―おじいさんの庭を受け継いだご夫婦の話―
公開日:2026/03/13
古着やヴィンテージを日常に取り入れたり、リユース品を選ぶことが特別なことではなくなってきた今。モノを「新しくする」よりも、「大切に使い続ける」価値観が、以前より根づいてきたように感じます。
住まいについても古い建物をリノベーションして住む人が増えています。
古い家を自分たちの暮らしに合わせてつくり替えるのもいいけれど、その家がもともと持っている魅力や、長い時間の中で育まれてきたポテンシャルを活かしながら住み継いでいけたら、より味わい深い暮らしができそうです。今回はそんなリノベのお話です。
この家には、長年おじいさんが住んでいました。毎日手入れをし、季節ごとに花を咲かせ、実をならせてきた庭。庭木や草花は、大切に育てられてきました。
年齢を重ねるなかで、おじいさんはこの家を手放す決断をされました。
そしてこの家に出会ったのが、住まいを探していたご夫婦でした。
初めて敷地を訪れたとき、目に飛び込んできたのは広い庭と、丁寧に育てられた木々。
「この庭と一緒に暮らしたい」
そう思ったことが、このリノベーションのはじまりでした。
リノベーション前のダイニングキッチン。庭をながめながら朝食を食べたりしたのかな、と思いをめぐらす
リノベーション後のキッチン。シンクを庭に向けたので料理の合間も庭を愛でられる。
プランを考えるとき、中心にあったのは“庭との関係”です。
庭を眺めながら食事ができる場所。庭で採れた果実や野菜を、そのままキッチンで調理できる動線。
外と内がゆるやかにつながる暮らしを、新しい住まい手のご夫婦は思い描きました。
そこで、リビングとダイニングは庭に大きく開く位置に計画。シンクは庭に向かって配置されました。
以前からあった庭木はできるだけ残し、この家ならではの風景として受け継ぎました。
また、造作が美しい階段はそのまま残しました。階段のあるこの空間が、昔も今もこの家のシンボル的存在です。
リノベーション前の様子。庭側には板張りの「縁側」スペースもあり、ここから庭に出入りしてたかもしれない。
リノベーション後。天井を取り去って広がりのある空間に。
ダイニングキッチンの隣には、かつて家族が集まっていただろう和室がありました。
立派な床の間には、生け花や掛け軸が飾られていたかもしれません。お正月には家族そろっておせちを囲み、トランプや将棋などの盤ゲームで遊んでいたのかもしれない。そんな風景が、自然と想像できる和室でした。
リノベーションでは、この和室を「庭をより楽しむ場所」として再生しました。
襖や天井を取り払い、空間を庭へ・空へと大きく開くことで、光を積極的に取り込んでいます。
また、ダイニングとの間には、既存の柱を生かして本棚とデスクを新設。
筋交い(斜めの木材)を入れて構造にも配慮し、開放感がある居心地の良い空間です。
かつて縁側だった部分にはタイルを貼り、水や土を気にせず観葉植物を置ける実用的なスペースに。室内でありながら、庭との一体感を楽しめる場所になりました。
思い出の残る和室は、こうしてかたちを変えながら、ご夫婦の新しい暮らしの居場所として受け継がれています。
この家は新しく作られた美しさと、長い年月で磨かれた美しさが、仲良く混じりあって、どちらもうれしそうにたたずんでいます。
大切に育てられてきた庭の木々や、長年家族に撫でられてつややかになった階段のてすりを、これからは新しい家族が守っていきます。
このリノベーションは、建物の再生であると同時に、暮らしのバトンでもありました。
古い家を壊して新しくするのではなく、「いいところを受け取り、次の暮らしにつなぐ」
そんな素敵な選択肢があることを、教えてくれる住まいです。
これからこの庭で、どんな季節が重なっていくのか。
私たちも、とても楽しみにしています。
エンジョイワークスでは、土地・物件探しやリノベのご相談も承っております。
新築・リベーションをご検討中の方、ぜひ一度、私たちエンジョイワークスにお気軽にお問い合わせください。
家づくりって最高にクリエイティブで面白い。
新築もリノベも。
鎌倉・逗子・葉山、湘南エリアを拠点とするエンジョイワークス一級建築士事務所があなたのクリエイティブな家づくりをサポートします。
https://enjoyworksdesign.com/
詳しくお話を聞いてみたい、知りたい方は下記までお問い合わせください。
■お問い合わせ:
お電話(
0467-53-8583)
お問い合わせフォーム