静岡県掛川市で現在着々と工事が進んでいる、リノベーション平屋。
エンジョイワークスは事務所が鎌倉市にあるので、「今来て!」といってすぐに現場に飛んでいける状況ではありません。
そんな状況下ですが、現場に入っている大工さんはこちらの設計の意図を組みながら、
日夜細かいおさまりを一生懸命考えてくださっています。
今日はそんな大工さんの拘りが見える部分をご紹介したいと思います。
外壁の端っこをどう処理するか?
今回、外装は壁の仕上げを一面、杉板貼りに張り替えたのですが、
一面に杉を貼った両端の終わりの角を、どうしたらきれいな施工ができるかを考えて
大工さんが1/1のモックアップを作って送ってくれました。
それがこの写真。
奥に見えているのは、外壁材の端の溝をそのまま見せておさめるパターン。
自然な施工の仕方でそんなに悪くもないのですが、大工さんはこの実の溝を見せないように、美しくしたいと色々考えてくれました。
考えた末に、これはどうか!と送られてきたのが手前のモックアップでした。
元々あった実を切り落として、両端がぴたっとおさまるように、大工さんが新たに逆向きで溝を掘ってくれている・・・というもの。
その上で角はピン角にすると痛いので、ほんのちょっとだけ丸くなるように角を落としてあります。
地味なところですが、すごく手が込んでいます。
というか、外壁の角だけだといっても、こんなの絶対にめんどくさい加工でしょうよ!
と言いたくなるのですが、「細部にこだわる美学ここにあり」の心で、夢中になって考えていたそうです。
表し天井と壁の端部のおさまり
リノベーションの醍醐味ともいえる「表し天井」。
このように構造材をそのまま見せる仕上げをする場合、壁は石膏ボードで塞がるので、
天井と壁の取り合いとなる端部はそのままにしておくと、壁の石膏ボードの切り口が丸見えになってしまいます。
そのような場合に、切り口をカバーするために使うのが見切り材です。
見切り材は、樹脂製のものが大手メーカーさんの商品が多数あるのですが、
表し天井の木材と石膏ボードの間に樹脂の見切り材を取り付けるのは、材料の種類が増えてしまうのでできれば避けたい・・・。
でも、変に拘ってお金をかけるところでもありません。
そこで、押し入れの見切りなどに使う無垢材の雑巾摺を石膏ボードの上に乗せて、見切り材とするのはどうかと相談をしていました。
が、現場の大工さんからは、
石膏ボードが歪まないように抑えられて、見た目を綺麗に見せられるように、と、
L字で加工した見切り材のサンプル品を作って送ってくれました。
めっちゃ綺麗・・・。
写真の上部に1本通っているのが、大工さんが加工した見切り材です。
とても自然で美しいです。
私たちのわがままな要望にも真摯に向き合って答えてくれて、
少々やっかいだなと思っているかもしれませんが(笑)、
現場に入ってくださっている大工さんは、誰よりも現場を良くすることを考えてくれています。
遠方ですが、現場の方々に恵まれて完成間近の掛川リノベーション。
きっと古家も大事にされて喜んでいることと思います。
私も、かなり愛着が湧いてきました。
完成は3月末予定。現在販売中です。
気に入ってくれる方が現れますように・・・!