【イベントレポート】西軽井沢「子育て移住」実践者トークイベント@東京を開催しました!(後編)
広い敷地をシェアしてお隣さんとの暮らしを楽しむコミュニティ型分譲「ENJOY VILLAGE」。日本各地で現在展開中の16ヶ所の中でも、東京からの移住を考えている方に特におすすめなのが、長野県佐久市・御代田町の2つのヴィレッジです。2025年5月23日、東京にて、御代田町に移住を果たしたパパお二人をゲストに迎え、このエリアの暮らしや教育、仕事やコミュニティの実態についてお話を伺うイベントを開催しました。子育て中の参加者から前のめりの質問も飛び交ったその様子をレポートします!
*会場:川辺直哉建築設計事務所(浅草橋)
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【目次】
前編
・ゲストプロフィール
・移住者急増には理由がある。西軽井沢の魅力とは?
・保育園入園の困難さと、子育て環境の見直しがきっかけ
・理想の暮らしを都内で求めたら6億円?! 家族の未来のために移住
後編
・浅間山の麓でたっぷり遊んでじっくり育つ子どもたち
・保護者も一緒に学びの場をつくっていく姿勢
・利用者みんなで共創するコミュニティ。新しい「コモンズ」
・移住後は子どもの成長に合わせて柔軟に働き方をチューニング
・現地に行こう!6/1、6/14に御代田・佐久で体感イベント開催
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浅間山の麓でたっぷり遊んでじっくり育つ子どもたち
「子育て移住」をテーマにした今回のイベント。参加者の方々も、西軽井沢の教育環境については特に熱心に聞き入っていました。
うまたつさんからは「軽井沢風越学園」について、ぶるさんからは「森のようちえんぴっぴ」について、ご自身のお子さんを通わせている保護者として良い所も大変な所もお話しいただきました。
軽井沢風越学園は、幼稚園から中学校までの一貫校で、独自の教育カリキュラムを提供する探究型学習の場です。この学園では「子どもの探究心を最優先にする」という理念を基に、チャイムやテスト、成績表が存在せず、学びの形式が常に進化し続けています。アウトプットデーでは地域住民や保護者も参加し、子どもたちが自らの成長をプレゼンする姿が見られます。一方で、漢字や計算といった基礎学力は「正直、不安な面は多々ある」とうまたつさん。また、保護者にとっては送迎やお弁当の用意などの負担が大きいのが現状だそうです。それでも、子どもたちが生き生きと学び、自分の意見を表現する姿を見ると、「この学校に通わせてよかった」と感じる保護者も多いそうです。
子どもたちは昼間に体を目一杯動かしているから、夜はぐっすり寝てくれるそう。写真提供/(左)森のようちえんぴっぴ公式サイト(右)ぶるさん
保護者も一緒に学びの場をつくっていく姿勢
森のようちえんぴっぴもまた、通常の幼稚園の概念を超えた、自然と共生する学びの場です。この幼稚園では建物らしい建物はなく、活動の多くは森の中で行われます。集合場所や解散場所も森の中、雨や雪など天候に関係なく外遊びが基本です。その結果、子どもたちはポケットに砂利を詰め込んだり、靴に雨水を溜めたまま帰ってくることも日常茶飯事。親にはこの独特の環境を否定せず受け入れる柔軟さが求められます。
この園では子どもたちの「やりたい」を尊重し、スタッフは「先生」として指示を出すのではなく、「共に遊び学ぶ存在」として関わります。保護者も、かまどで使う薪を割ったり、森に落ちている枝を片付けたり、木のテーブルを修繕したりという活動を通じて教育活動に積極的に参加します。
「単に子どもを預ける場ではなく、自然と向き合いながら親子が共に成長できる場所。軽井沢風越学園とも共通する特徴ですが、保護者も子どもと一緒に学校や幼稚園をつくり上げていく姿勢が求められます。そこに共感できる親にとっては良い選択肢だと言えるのでは」とぶるさん。
参加者の中には東京の学校で窮屈さを感じているお子さんを持つ方や、「蚊ですら怖がる子どもを見て(都会しか知らないで育つのは)ヤバいと思った」という方もいて、自然の中で子どもの自発性や逞しさを育てるこのエリアならではの教育に期待が膨らんだようです。
西軽井沢エリアからの通学圏内には、他にもオランダの教育“イエナプラン”を取り入れた大日向小中学校(高校も近々開校予定)や、全寮制のインターナショナルスクール「ISAK」、グローバル人材の育成に力を入れる中高一貫校「佐久長聖中学・高等学校」など特色のある学校が多数存在する他、子どもたちの多様性に富んだ公立の学校に通わせる移住者もたくさんいます。
ぶるさんからはこんなまとめが。
「子どもたちはとにかく毎日すごく楽しそうです。教育環境の選び方・考え方を親自身がある程度持った上で、それに合うものを子どもたちに提供することができる環境と選択肢がこのエリアにはあると思います」
利用者みんなで共創するコミュニティ。新しい「コモンズ」
地方移住を検討する際に気になることの一つが、その地域に価値観の合うコミュニティや文化があるかどうか。西軽井沢エリアではコロナ以降、2022年頃から移住者が顕著に増加し、さまざまな新しいコミュニティも一斉に立ち上がってきたそうです。
【御代田の代表的なコミュニティ】
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みよたの広場
2022年8月オープン。一般社団法人「御代田の根」運営。子どもも大人も過ごせる居場所となり、よい循環を生み出す拠点となり、新たな関係を結びなおす場。日本財団「子ども第三の居場所」採択事業。
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コードマーク御代田
2022年8月オープン。御代田町の平尾山麓に広がる地域で、薪や炭を作るための山林や、農地で耕作されてきた畑、湯川沿いに広がる田んぼなど、「里山」の環境を守りながら、地域の活動を支える拠点。
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CONER SHOP MIYOTA
2023年4月オープン。御代田駅前に位置する新しいコミュニティースペース。1階ではカフェ&バー、ギャラリーショップを併設し、2階にはゲストルームがある滞在型店舗。
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はたらくが広がる研究所「Gokalab」
2022年11月オープン。コロナ禍中にフルリモート勤務になったうまたつさんが、雑談できる場がほしくて立ち上げたコワーキングスペース&カフェ。JA伍賀の支所の建物を改装して使用。「はたらくが広がる」をテーマに約100名の研究員(会員)が多様な活動を行っている。
こうしたコミュニティの構成員は移住者がメインですが、イベントなどでは地元の方とも交流しているとのこと。そもそもこのエリアの人口の多くが元は移住者。移住後何年経つと「地元」になるのか分かりませんが、互いに無理のない適度な距離感が心地よいコミュニティのようです。
特に「みよたの広場」や「Gokalab」は、従来の公園や児童館、コワーキングの概念に括ることのできない「新しいコモンズ」と呼べそう。そこでは利用者みんなが運営者であり、やりたいことやできること、差し出せるものごとを持ち寄って、日常的に共創が行われています。
例えば「みよたの広場」で焚き火に使う薪は「ありがとうの薪」と呼ばれ、この広場を利用する人が自分の時間や労力を少しだけ差し出し、気がついた時に薪を割って補充するという仕組み。住民みんなでつくるマルシェや持ち込み企画も開催され、大人も子どもも自分のやりたいことを実現する舞台として使うことができます。
一方、「Gokalab」でも会員と運営者が定期的にミーティングや施設&コミュニティのメンテナンスの機会を設け、持続的な運営のために会員自ら光熱費の節約や掃除に協力。会員による自主的なイベント開催、サークル活動の立ち上げ、施設外でのプライベートな交流なども活発に行なわれています。
このエリアには弊社でも大切にしている「共創のカルチャー」が息づいているんですね! お隣さんと一緒に暮らしをつくる「ENJOY VILLAGE」との親和性も高そうです。
御代田VILLAGEは9棟のスケルトンハウスの中央に共有のサウナ小屋とデッキ、ドッグランを設置する計画。サウナカルチャーが熱い西軽井沢ならでは。
移住後は子どもの成長に合わせて柔軟に働き方をチューニング
ゲストのお二人のお話の最後は、参加者の方からの質問も多かった移住後の「働き方」について。お二人とも共働きで、東京と御代田を行き来しつつ、子育てと家庭、仕事、趣味や地域と関わる時間をどのようにやりくりすると最も無理なく満足度を高められるのか、試行錯誤しながらチューニングしているようです。
うまたつさんの場合は、リクルート勤務時代に新幹線通勤をしていましたが、コロナ禍でフルリモートに移行。その後、通勤とリモートのハイブリッド勤務を経て退職し、現在はフリーランスとして新たな働き方を模索中です。一方、奥さんは軽井沢の地元企業に就職後、下の子が幼稚園に入るタイミングで夫婦の働き方を再調整する必要性を感じ、フリーランスへ。うまたつさんがリクルートを退社するのと同時にスイッチする形でこの春からフルタイム会社員に復帰。現在は週の半分程度東京に通うハイブリッド勤務をしているそうです。
ぶるさんは、月曜から水曜は東京で勤務し、首都圏にある実家に滞在。木曜と金曜は御代田でリモートワークを行い、子どもの送迎や家事の分担をこなしつつ働いているそうです。週末にはスキーやハイキング、動物園や温泉を家族や友人と楽しむ時間を確保。御代田からのレジャーへのアクセスは非常に良く、だいたいは日帰りで十分楽しめるとのこと。多忙な日々の中でも、働き方を工夫し、環境を生かしながら充実したライフスタイルを築いているようです。
うまたつさんからは「特に共働き家庭では、柔軟な働き方と教育環境に適応するための試行錯誤が必要」とコメントが。子どもの成長も鑑みながら、ワークスタイルを固定的に捉えずに、その時その時の最適解を家族で調整していくことがポイントかもしれませんね。
佐久VILLAGEには既に4棟のスケルトンハウスと共有のアウトドアキッチン&広場が完成。いつでも内覧可能
現地に行こう!6/1、6/14に御代田・佐久で体感イベント開催
イベントの後半では、御代田と佐久にある2つのヴィレッジや、「スケルトンハウス」の家づくりについてご紹介させていただきました。
都心から約1時間圏内への子育て移住を考えている(考えざるを得ない?)ファミリーにとって、御代田・佐久での暮らしや教育環境についての解像度がグンと上がった今回のイベント。終了後の参加者の方からは、「現地に行ってみたい」とのお声も聞かれました。
この御代田・佐久ヴィレッジに関わるイベントは全3回を予定しています。
第2回目は6/1(日)14時から佐久ヴィレッジ現地で開催。完成している建物の内部や共有のアウトドアキッチンも見ていただき、暮らしのイメージを体感していただくと同時に、佐久や御代田のまちの雰囲気も感じていただけます。
第3回は6/14(土)の午前中から夕刻まで、ゲストスピーカーを務めていただいたうまたつさんと一緒に、この記事でもご紹介している御代田と佐久の注目スポットやコミュニティを巡るスペシャルツアーを開催! 夕刻からは有志で焚き火を囲んで交流会も行います。
詳しいイベントの内容はこちらのページをご覧ください。
両日共に、ENJOYWORKSのメンバーも一緒に現地をご案内します。
たくさんのご参加を一同お待ちしております!
【西軽井沢】子育て移住 実践者トーク&現地体験イベント@御代田・佐久
◉詳細&お申し込みは
こちらから